先 達

安藤忠雄 建築家と建築作品/ 安藤忠雄 松葉一清 共著:鹿島出版会

 

美大生の頃

昼食は購買の安いパンで節約して

貯めたお金で大きな本を買い

持ち帰る時のその重みが嬉しかった

 

高校時代

お前 行ってみるか?と

美術予備校の講師がくれたチケットは建築展

安藤忠雄

 

そのスケールと緻密さに

過呼吸になるくらいの衝撃と興奮を覚えたのは

いまモノ作りに関わっている大きな起点の一端で

 

割り箸の袋や航空券に描かれたスケッチに

わずかな狂気を感じながら

それは仕事に向かう執心と覚悟の表れで

いつの間にか自分も同じ線を辿っていて

 

数々の案件の背景を読みながら

進めるページは低速で

この本の重さは特別に嬉しい

 

とても大きな影響を受けたことが

改めて浸透する感覚

 

 

粗 末

宝島社 広告:2002 「国会議事堂は、解体」

確定申告を終える

なにやってんだろ・・・と出るため息

たびたび

 

ちゃんとまっすぐに約束事に向き合っている自分へ

呆れていたり

耳に入ってくる報道の

怒る気にもならない粗末な政府の振る舞いに

目の焦点を合わさない様にテレビを見たり

 

2002年

宝島社が発信した広告

20余年前のこと

議員はやっぱりカネで干されていて

 

国を良くしようとか

株価・経済が上向きにとか

エラそうなこと言っていながら

 

なーんも変わっちゃおらん

・・・がっかりです

 

国への忠誠は常に

政府への忠誠は

政府が忠誠に値する時に

 

マーク・トゥウェインの言葉が響く

 

税金というカタチで

モヤモヤしながら忠誠を強要される

またひとつ

ため息。

 

※宝島社 広告全文 

「国会議事堂は、解体。」

人間、立派過ぎる仕事場を与えられたら、やはり「自分は偉い!」「この場所は、他人には絶対に 譲りたくない!」といつしか思い込んでしまうもの。相変わらずセンセイづらをしてふんぞり返っているだけの議員、あるいは省庁や官僚が大事なあまり、国民には平気でウソをついたり知らんぷりをしたりする議員、あるいは、とりあえず自分たちが安泰であるためには「昨日の友も、今日はトカゲのしっぽ」で済まそうとする議員・国民から「国政はふがいなさ過ぎ!」とこれだけ言われながら、こういう国会議員が今後も減りそうな気が一向にしないのは、まさに威容を誇る建造物の代表、「国会議事堂」という場所が、彼らの人間性に、どこかいびつな作用を及ぼしているからではないでしょうか?「中身を変えたいなら、まず、ハコを捨てることである」。そう考える私たちは、今回、以下のような抜本的かつ歴史的・国会改革案を提案いたします。

 

 ●現在の国会議事堂は取り壊し。完成してから65 年以上、よどんだ空気が相当たまっているだろう。跡地は民間に売却し財政赤字の補填に回す。

●国会は、どこか適当な広場(公園や学校等)で開催。

●しかしながら、衆議院議員でさえ500人という規模の人数を収容できる広場は限られよう。この機会にあわせ、思いきって定数を約半分へと削減する。

●青空国会、つまり場所が屋外なので、暑かろうが寒かろうが 雨が降ろうが雪が降ろうがしっかりと議事をやりぬける体力と気力が必要。それが足りない議員にはこの際ご退出願うしかないだろう。 国会議員の若返りが一気に進むことになるかも知れない。

●屋外ということは、ダラダラとやっていたらあっという間に真っ暗に なってしまうということ(ナイター施設のある競技場などの場合は除き)。従って議事の進行も極めてスピーディになる。一般国民からのヤジも自由。おちおち居眠りしていたら何が飛んでくるか分からない。

●誰もが「国づくり」の大切さと大変さに触れられる、貴重な体験の場。遠足の際の見学先として積極的に活用してもらう。

●薄暗い密室ではなく、文字どおり白日のもとのやりとりである。質疑に招かれた各省庁の役人さんたちも、少しは本当のことを喋りたくなるであろう。

● 必然的に、「議事堂移転」という議論自体がもはや無意味なものになる。 それどころか、いっそ日本中の広場を巡回する「ツアー国会」にしてもよい。様々な地域の実情を肌で感じられるというものだ。

●黒塗りでの移動は禁止。国会議員は公共交通機関の利用が無料なのだから、電車やバスを利用すればそれで済む。あと自転車や徒歩も可。

 

 

刪 削

ZERO JAPAN コーヒードリッパー

 

日々使うものだから

長く使うものだから

それは心底気に入ったものでありたい

 

先日まで使っていたコーヒードリッパー

その期間 15年

 

手を滑らせて割ってしまって

 

時間を掛けてアレコレと悩んだ果てに

新しく届いたそれは

 

手の納まり

指の掛かり

重さや仕上げ

もちろん機能も

見事なまでのデザイン

 

個性的な形態でありながら

装飾を抑えていく刪削の具合が美しい

 

「削る方が付けるよりも豊かになる事がある」

デザイナー 秋田道夫氏の言う

 

その言葉に繋がる

 

生活の中に置いて触れること

使うことが嬉しくなる

 

毎朝が楽しい

長く大切に使いたい。