常 緑

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Clifford Brown & Max Roach - Cherokee : YouTube

 

中学生の頃のこと

深夜ラジオから流れてきた

穏やかに強く

あたたかいそれは

 

強烈な印象を残していながら

 

奏者も曲名も知ることもなく

30年が過ぎ

 

土を返すスコップの先に

硬い何かが当たる感触にも似た

カツン!ときた感覚に

 

いま 体温が上がる。

 

1955年の楽曲ながら

枯れることも廃れることもなく

濃い色を帯びた常緑樹の様

 

自分の中の音楽に対する関心

その起点のひとつ

 

掴めたうれしさ。

 

 

creature

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悩ましい国語辞典:辞書編集者だけが知っていることばの深層

時事通信社神永 暁 著

 

然り

知人や仕事先との会話の中で

その方から発せられる言葉が美しいと

概ね

その方の振る舞いや仕事も美しかったりして

 

たまに恐怖を覚える。

 

言葉は生きていて

時流や使い勝手

利便性や空気感によって「変異」してきたものと

36年もの長い間 辞書を編集してきた著者は言う

 

満載するとても興味深い内容

一語ずつ咀嚼する度にストロボが光るかの様。

 

そもそもの意味はわからないままに

「そういうものだ」と

なにも疑問を持つこともなく使っている言葉の中に

ちょっと立ち止まって凝視してみると

 

懐疑と不徳を感じることがあったりする。

 

ただこれは

生きている言葉の中の「変異」の一部だったりもして

 

どうして良いものだか迷い始めてしまうと

わずかに呼吸が乱れて

舌が動きを躊躇する。

 

言葉に気を遣っていながらも

その気を遣っていることにストレスを感じてしまうとなると

妙な連鎖を引き起こす

 

ムズカシイもので

 

「由来」と「違和」と「そういうものだ」の間

 

溺れない様に

漂う様に

会話の中を。

 

 

horse trade

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代官山プロジェクトをめぐる11建築家の提案・編集:CCC 代官山プロジェクト

 

やっぱり

そこそこ時間がかかる

傷心のカサブタが剥がれて癒えるまでの

脇腹あたりに燻る悶絶感

 

 

何年かに一度

大きな設計デザインコンペの話が来る

 

鼻息を荒げない様に血液の温度を上げて

一気に走り抜ける様な

イデアの戦い

 

自信はあったものの

過去にもいろいろあった故の

半信半疑で待つ応答

 

house trade:駆け引き 袖の下 抜け目のない取引

そんな慣用句

 

大きなハナシには

大人の事情が付帯する。

 

 

それぞれの手の内が明かされれば

とてもオモシロい

 

そんな本があった。

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代官山の再開発の際に提案された

11人の建築家のプラン

コンセプトから成果物まで

その感覚は様々で

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フェアプレーとファインプレーに溢れた

ゲームを観戦しているかの様な錯覚と感激

 

 

ちきしょ・・・良い提案だったんだけどな

黙って自画自賛しながら

再び悶絶する。