道 徳

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常田富士男さんの訃報を聞いて思う。

 

「むか〜し むかし・・・」のあの声の

それに学んだ幼少期

 

いまわかる

日本昔ばなしに聞いた

 その全ての全ては

世の良しなし事に表れた道徳の時間。

 

そこにある日常は

意の向くままにありながら

欲に踏み外すその主たち

またはその隣人の振舞いの

 

仕方なかろ・・・ね

そんな因果応報の渦に巻かれる。

 

雀や亀

鶴にしても

起因に応じたそれぞれの置き土産を残して

 

常田富士男さんから生まれる

めでたし・めでたしを聞くことは

 

実は稀有である

それが昔ばなし。

 

最近関わるクライアントの振舞いに

ストレス過多な空気感が続くのと

 

日本昔ばなし

あの食卓時間から退いた時期の相関

 

観ていた人と観ていない人

常田富士男さんの

あの声に触れていた人と触れていなかった人

 

そこに何かがある様な気がして

 

どうぞ

その玉手箱をお開けください

 

にわかに何か

 

ハッピーエンドはナイのだよ

 そう期待しながら舞台袖に立つ自分がいる。

 

 

10年

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Swing Out Sister - Pledge Intro : vimeo

月日の累積

その経年の中に

 

空いた時間分の期待を備えたり

成長や変容を誇張して驚かそうとする様な

過ぎた振る舞いのない

 

すーっと距離感が縮まる

安心できる佇まい

 

素敵だな そういうの

 

10年を置いての swing out sister の新譜に

そんな感覚が湧く。

 

 

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新しいカメラを手に入れる

 

父のフィルムカメラに触れた小学生の頃から

全てデジタルに変わってしまった

この35年余り

 

性能や技術は大きく進化する

驚きの深みに溺れながら

玩具を与えられた大人は童子の様にそれを離さない。

 

やや浅いむかし

デジタルに移行するときの過渡期が印象深い

それは

 

フィルムを必要としなくなるカメラ

技術を詰め込みながら形態とデザインの自由度が拡張して

持ち方を変えてしまったり

撮り方をも変えてしまったり

 

それが今

一旦広がったその自由度が密度を高めながら還元された

 「やっぱりこうだよね」の触感

 

ファインダーを覗いてシャッターを押す

35年前の所作と同じながら

クラシカルではなく

進行形的な懐古

複雑さを減らして「カメラ然」となる肖像

 

それがうれしい。