book

先 達

安藤忠雄 建築家と建築作品/ 安藤忠雄 松葉一清 共著:鹿島出版会 美大生の頃 昼食は購買の安いパンで節約して 貯めたお金で大きな本を買い 持ち帰る時のその重みが嬉しかった 高校時代 お前 行ってみるか?と 美術予備校の講師がくれたチケットは建築展 安…

clement

Luis Barragan-Understanding Space〜ルイス・バラガン 空間の読解 大河内 学+廣澤秀眞+明治大学大河内研究室 編著/彰国社 身近ではない国の音楽 馴染みのない地域の料理 それに触れた時のストロボ光に似た刺激と嬉しさ 昨年の暮れに買った本 メキシコの…

恩 師

大人の流儀3 別れる力:伊集院静 著/講談社 20代の頃 たまにTVで見掛けたその方は 言葉少なに低い声で 意味深いことを語っていて 以来いままで 数々の著書に触れさせてもらう中 目で追う文字に その文章に 伊集院さんの声が聞こえてきて 力強く叱ってくれた…

御 浚

dieter rams - the complete works / klaus klemp 著・PHAIDON 出版 大きな案件を終えた自分へのご褒美に 欲しかった大型本 1950年代から大量のプロダクトを生み出したドイツのデザイナー ディーター・ラムズ 彼の功 1ページに1商品 連続する美しい形態 圧巻…

study

ジャン・プルーヴェ 椅子から建築まで:millegraph 出版 この3年間 急速にデザイン設計や素材の研究が高まって この辺りでどうやら固まる その姿を見せたのは マスクじゃないかと思う 過剰な方向に向かっても そのうちに求められなくなる 肌触りや重さ 質感…

appreciate

包装デザインの案件を進めながら 贈り物の在り方を探っている 昭和のどこかの時期を境に 合理性や利便性 素材や仕様 そこに掛ける費用などを起因に 手間というものを問題視して いかに解消するかを問い その内に買い手側の意識も 贈り物の価値観も 大きく転…

湧 然

奈良美智 自選集[ペインティング]:青幻舎 「興味が湧く」 その心象が体感を以って露わになる 心地よい寒気の様な いつもより目に入る光量が多くなる様な 使っていない筋肉が動き始めた様な 無痛で顎が外れた様な そんな感覚が走る たまに 奈良 美智(なら…

熱 量

Hans J. Wegner : Just One Good Chair / Christian Holmstedt Olesen 著+Mark Mussari 訳 Hatje Cantz Verlag Gmbh & Co Kg 出版 美大生の頃 欲しくても買えない本があった 高価だったり希少だったり 本は出逢うものだからね 欲しい時に掴みなさい そう言…

憧 憬

SPORTSCAR 185 Illustrations:bow(池田和弘)/出版 NEKO publishing 100 SPORTS CARS:bow(池田和弘)/出版 NEKO publishing もう絶版になって長年 ずっと探し続けていた画集 古本として流れ星の様に姿を現して どうしても手元に置きたくて 迷うことな…

慈 救

人生に寅さんを。/「男はつらいよ」名言集:キネマ旬報社 不穏な世界情勢だったり 不正で騒々しい¥のいろいろだったり なんだかもう感染しなさそう?な気の緩みだったり 夏の選挙に向けた政治家の役者な熱量だったり テレビに映る様々な世情 まるで波に揺…

導 出

Seasons - The Best of Donna Hay Magagine : Harpercollins Week light - Super fast meals to make you feeel good : Harpercollins New food fast : Murdoch Books デザインの仕事 どんな素材を使って何を作るか 素材を組み合わせたらどの様になるのか ど…

ticket

Carouschka's TICKETS : testadra 出版 なくさない様にして自分で持っていなさい 親にそう言われて緊張しながら握っていた切符 少し成長できた気がして なんだか嬉しかった 改札員が刻むハサミの空打ち 小気味よく 懐かしい記憶の音 自動改札にも驚いた一時…

諸 説

土偶を読む:竹倉史人 著/晶文社 映像で残っている記録もなければ 誰か見た人がいるわけでもない はるか昔のこと 確証がないのだから 諸説いろいろが生まれる 歴史とは 物的資料のいろいろな点の組み合わせ むしろ 都合よく話が繋がる 合点に見出された幻想…

sponge

バーナード・ルドフスキー 生活技術のデザイナー アンドレア・ボッコ 著/多木陽介 訳:鹿島出版会 知らないことが まだたくさんある 知りたいことに触れ始めた時 吸収力は大きく働き 半ば過呼吸になる様に 目の前がキラキラと閃光を帯びる もっと知りたいと…

giant

知られざる北斎:神山典士 著/幻冬舎 ノンフィクションライターが書いているのだから それなりの裏付けがあることに期待しつつ その期待は 見事に煽りを膨らませながら 北斎という巨人の魅力に尚も惹き込まれる もっと知りたい気持ち 浮世版画に見る風景の…

授 業

モノからモノが生まれる:ブルーノ・ムナーリ著/みすず書房 ときどき 「デザインってどういうものですか?」と問われる中で 自分の語彙の乏しさを感じながら 仕事観点で説明しがちになることで 向き合う人の表情が険しくなってくる それを見て言葉が見つか…

easy

陰翳礼讃:谷崎潤一郎(文)+大川裕弘(写真)/PIE INTERNATIONAL 出版 原作があって脚色に繋がる より分かりやすく より伝わりやすく 興味を持つことにに対して飛び込みやすい 近い所からアプローチできるガイドラインを作ることは 悪いことではないはずだ…

The Salt of the Earth Official Trailer 1 (2015) - Documentary HD : Youtube 深く敬愛する写真家セバスチャン・サルガド氏が 世界文化賞(高松宮殿下記念)を受賞した 先月の話 再度彼の自叙的映画を観て 重い感激に痺れて 写真集を開いて その深い世界観…

多 能 

美大を卒業してデザインの現場に出た25年前 まだ写植の職人さんがいたり PCの性能が低くて手作業の方が早く仕事を進められたり その頃から この書体が好きだった Helvetica(ヘルベチカ) 発祥は1957年のスイス 太さ様々 斜体があったりと そのスタイルは多…

discussion

忘れられた日本:ブルーノ・タウト 著/篠田英雄 編訳:中公文庫 広い視野 細かな着眼点 観察と研究 持論への問いとその考察 詩的な表現が誘う形状の想像 秀逸な論考 刺激的な火花がたくさん。 ドイツの建築家 ブルーノ・タウトが日本に滞在したのは1933年 …

leeway

monk - LIGHT AND SHADOW ON THE PHIROSOPHER'S PATH :今井義浩 著・PHAIDON 出版 写真集が届く 封を切る 溢れ出すインクの香り 手に伝わる重さ 紙質と心地よい指先の触感 ページ毎に広がる鮮やかな写真の数々 装丁も書体も すべての空気感が素敵で たまに…

connect

KAHN : Joseph Rosa 著/TASCHEN 出版 少し大きな仕事を終えて 次の案件までの小休止 仕事に向けられていた焦点が行き場をなくして それが物欲に注がれると 読みたい本をザバザバ漁り買う。 ルイス・カーン(Louis Kahn : 1901 ~ 1974) 一番刺激を受けた建…

相 槌

プロデュースの基本:木崎賢治 著・インターナショナル新書 デザイン業界も音楽業界も 料理業界もその他いろいろ業界も 「売れるものをつくる」という使命を帯びた職業の中で 素敵な先輩に出会った気分 そこには 頭の使い所と展開・進展方法に似た様な点が多…

無 頼

墜落論・日本文化私観 他二十二篇/坂口安吾 著・岩波文庫 直に政治や社会にモノを申せるほど オカミに近付けるわけでもないし 確固たる信念や従順を保つほど 自国に対する愛もない 半ば諦め または呆れた部分と ドライに接して距離を保ちたくなる 愛国心を…

理 由

服を作る モードを超えて:山本耀司・宮智泉 著/中央公論新社 それはどこから始まって なぜいま この場所にいるのか ここでこうして活動を続けているのか そして止めないのか 全てに理由がある それを振り返って俯瞰したときに しっかりと線になっていて い…

説 破

日本文化の核心:松岡正剛 著・講談社現代新書 作麼生(そもさん) 説破(せっぱ) そう始まる禅問答のやりとりをむかし見たことがあって その機知に満ちながら リズムよく進む言葉の応戦に鳥肌が立ったことを憶えている。 打ちのめされるくらいの機知 溢れ…

poetic

スペインの宇宙食/菊地成孔 著・小学館文庫 詩的に 世の中の素敵なことや魅力的なことを表現・説明されると 自分の中にある引き出しやポケットの中がうごめいて 想像力を意図しないくらい膨らませてくれる 詩的に 世の中のヒドいことや皮肉を伝えられると …

奇 才

河鍋暁斎 生涯と作品/狩野博幸 著・東京美術 知らないことは まだまだたくさんあって 知りたいことを辿っていくうちに 曲がり角を間違えて入った小路の先に 予定外にして予想外のスゴいものが隠れていた時の 興奮して慄く感覚 動けなくなるくらいの驚きと歓…

shift

禅語:石井ゆかり 著/PIE international 世の中の流れによって 自分の動き方も変わる 変わる というのか 変えられる 変えなければいけない 変えざるを得ない など 受け取り方というか どこに感覚の起点をおいてどう思うかによって 快適にもなればストレスを…

pale

ラブという薬:いとうせいこう+星野概念 著/LITTLE MORE 出版 自分から話をすることがあまり得意でないこと 緊張や何かの迷いが生まれた時に 思慮・思考がスムーズに余所の方向に走り始めること 根っからの対話下手である。 骨折しての安静期間にあれこれ考…