千年後の百人一首:清川あさみ + 最果タヒ 著/リトルモア:出版
小学生の頃
押し込む様に憶えたそれは
歌に置かれた意味も訳も
そこにある表現や感情がまったくわからないまま
30年経ったいま
まるで微粒子の断片でありながら
砂を掻く様に集めて握ってみると
いままでの経験のあんなことやこんなことが
ツナギとなって
ぎゅっと歌になる
この歳になって読むそれぞれの歌が
とても切なく
とても美しく
音叉を叩く様に鮮やかに響く
ぐっと涙が湧く
潤った。