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新しいカメラを手に入れる

 

父のフィルムカメラに触れた小学生の頃から

全てデジタルに変わってしまった

この35年余り

 

性能や技術は大きく進化する

驚きの深みに溺れながら

玩具を与えられた大人は童子の様にそれを離さない。

 

やや浅いむかし

デジタルに移行するときの過渡期が印象深い

それは

 

フィルムを必要としなくなるカメラ

技術を詰め込みながら形態とデザインの自由度が拡張して

持ち方を変えてしまったり

撮り方をも変えてしまったり

 

それが今

一旦広がったその自由度が密度を高めながら還元された

 「やっぱりこうだよね」の触感

 

ファインダーを覗いてシャッターを押す

35年前の所作と同じながら

クラシカルではなく

進行形的な懐古

複雑さを減らして「カメラ然」となる肖像

 

それがうれしい。