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包装デザインの案件を進めながら

贈り物の在り方を探っている

 

昭和のどこかの時期を境に

合理性や利便性

素材や仕様

そこに掛ける費用などを起因に

 

手間というものを問題視して

いかに解消するかを問い

 

その内に買い手側の意識も

贈り物の価値観も

大きく転換してしまった様で

 

包装紙や箱

そのブランドやデザインで

感謝の大きさをお互いに測る様な

イヤラシさ

 

手仕事の丁寧さや

綺麗な整い具合

 

おめでとうございます とか

あん時はありがとね とか

いいものもらったからお裾分けに とか

 

祖母の家に居たときに来た

贈り物のある情景がいろいろ湧いてくる

 

感謝の気持ちの大きさは

体積があるわけでも

重さがあるわけでもないながら

 

この現在にはない

眩しさを覚えるものがあった気がする

 

本の中に溢れている

キラキラした気持ちの体現。

包(つつむ) 日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン

岡 秀行+目黒美術館 編者