端 的

サッポロビール広告「男は黙ってサッポロビール」:1970

 

友人からの紹介は

昭和と令和をタイムマシンで行き来するドラマ

 

自分の幼少期と現代の間にある

技術進化や道徳感覚の変化遍歴を感じつつ

 

記憶という

感情のフィルターを介して

むかしは良かった とか

こっちの方が良い だとか

そこは比較できるものでもなく

 

ただ

何につけて答えや説明を急いで求めて

わかりやすさや

端的に与えられることに慣れてしまったこの時代を

 

少し残念に思う。

 

想像や連想をする楽しさ

自分なりの観点で膨らむ解釈

イメージを交換し合うコミュニケーションが

そこに生まれるのに

 

わかりやすさを重ねるほどに

増える情報表記量と

減衰するイマジネーション

 

不便・不親切という不穏な妄想の枠は

考えない緩さによって作られてしまう。

 

いま

販売促進のデザインを進めている中で

しっかりとした解説で

ちゃんとお客様に伝わる様にして欲しい と指示が出ていつつ

言葉を最小限にしてみる

 

結果

それを一口食べたお客様の笑顔が満面だった

前情報がない時の

喜びや驚きが跳ね上がる高さは

 

とてもとても大きくなる

そんな一例。