明 喩

BONOX ステープラー:Dulton

 

ホッチキスという名称起源

 

まだ日本が明治時代の頃

アメリカのE.H.HOTCHKISS社が最初に開発して

ほかの呼び名がないままに言われ続けて

定着してしまった

そんなお話

 

その起源機には

HOTCHKISS PAPER FASTNER(ペーパーファスナー)と刻印されていて

=紙留め具 紙締め具

ホントはそれ・・・でしょ?

 

しかしながら

これほど社名がモノの名前として定着してしまったことは

ある意味とても力強く

羨ましい

 

ステープラー(Stapler )という名前

Staple = かすがい 

木材を繋ぎ合わせるコの字型の金物

形状由来の名称らしい

 

納得はするものの

名称として

なんだかシックリ

未だこない

 

 

この「ペーパーファスナー」と呼ぼうか

もう20年以上

長く使っている

 

設計上の力点と作用点の中心軸は丸く突起して

横に切られた一文字の溝

生物の横顔を模した様な形態

 

溝に紙束を差してハンドルを握ると

前歯の機構が稼働して紙束を噛む

 

機構を追うと確かに合理的で

「噛ませて留める」という行為のわかりやすい喩え

洗練されていない各部位の処理もまたオモシロく

 

数回に1回しか上手く留まらないのも

悪気を放棄した無表情な横顔に

まぁ・・・許そう となる

 

アナログ感の色濃い

稀な工業製品の妙

 

くすぐったい魅力。