延 命

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Trek madone 7s re-design : self work

 

デザインには「廃れ」という

感覚的な少し悲しい止まりどころがあって

それが自己主観であったり他観点であったりしながら

 

気にしない場合

あるいは

思い入れや愛に満ち溢れていて手放したくない場合を除いては

 

新参モノによる存在位置の剥奪に遭ったりして

すーっと

使い手都合で遠く離されていってしまう。

 

その時流に生まれるデザインの傾向は

販売数や売り上げに大きく影響するもので

「売れるものを作れ」の企業使命にデザイナーは

忠実に一生懸命なんだけど

 

多く出回ったものは当然

至る所で目にする機会も多くなり

「売れてるんだね」「流行っているんだね」「主流だね」

いろいろ賞賛されるものの

 

峠がそこにはあって

 

見る機会が少なくなってきた途端に

「廃れ」が急加速する

賞味期限を過ぎたかの様に

 

この現象は

かなり以前から自分の研究課題としていた内容で

 

「見慣れないデザインの命は長い」

という論点と

「突飛なデザインは受け入れられ難い/飽きやすい」

 

そのちょうどいいところに落とし込むと

「デザインの寿命をコントロールできるだろう」という

 

自説。

 

長く使っているロードバイクのフレームを

自分でデザインして塗装をオーダーした

 

フレームの性能は抜群で

自分の身体との相性がとてもいい

長く使いたいのに

グラフィックは時流を引き摺ってしまう

 

であれば

延命させる策を探そう

 

そんな願望の具現化

とても良い出来だ

 

とはいっても

そもそもは

忙しく動く仕事からの思考回避。